不変と変化の狭間で

A/r/tography & Philosophy Project ―都市の「余/白」に生まれる創造性―

Vol. 2 筑波大学大学院教育研究科/教育学学位プログラム・大学院生によるプロジェクト展


  本プロジェクトの企画・主催は,A/r/tography & Philosophy Project(武蔵野大学 生井亮司研究室、東京学芸大学 笠原広一研究室)によるもので,筑波大学大学院教育研究科「芸術科教育特講B」(笠原広一・石﨑和宏)と連携して行う事業です。

Exhibition

 「不変と変化の狭間で」は,筑波大学大学院生によるアートプロジェクトです。臨海副都心,オリンピック,コロナ,ニューノーマル。変化する私たちの感覚と世界の現在を,そしてARTBAY TOKYOのもつ創造的「余/白」としての可能性を,4人の大学院生がアートベースの探究と展示やワークショップを通して来場者のみなさんと見出していくプログラムです。 

漂流/Drifting (流木、アクリル絵具)

 海岸に流れ着いた木は、砂により磨かれ、数年、数十年の時を経て、現在の姿となった。我々は変化する世界のど真ん中にいる。作者は、流れている時間に存在する我々の姿を、砂の中に身を任されている流木に見立てた。不変と変化の満ちている世界の中で、我々はどんな「変化」を施し、どんな姿になれるのか・・・

廖 曦彤(LIAO XITONG)筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程芸術専攻

映画記録カレンダー

   コロナ禍の中で変化した予定が沢山ある。手帳に書きこみ記録してきたものたちは消えてしまった。しかしその中でも変化せず心の拠り所となって支えたもの(=映画)が沢山あることに気づいた。映画館の休館や上映延期になり必然的に映画と遠ざかってしまったが、今の時代において映画をみる媒体は沢山ある。見た映画を記録できるアプリもある。

   この作品では、その文字によって記録されたものたちを振り返り、筆と紙を使ってその映画の記録や思い出を書いている。打つ文字から書く文字を意識して、言葉を紡ぐ。手帳では消えてしまった未来の予定と異なり、これから見たいと思う映画は見るまでは心に留まり続ける。コロナ禍に影響されない不思議な「映画」について、皆さんの映画の思い出やこれから出会いたい映画を思い起こしてほしい。

菊地湾 (KIKUCHI IRIE)  筑波大学院教育研究科教科教育専攻芸術科教育コース

アートベイの窓を覗く/From the window of Art Bay 

   制作や生活において、微々たる決断の積み重ねが変化を生んでいるという事実は、世の中がどのようであっても変わらない。見ることのできないifの世界でも自分は生きていただろうけれど、あのときの判断はやっぱりよかったと思えるように、わたしたちは選んでいく。もし自分がこの作品のアーティストだったら、作品はどう変わっていただろう― ifの体験ができるツールで、青海の風景をお楽しみください。

櫻井菜月(SAKURAI NATSUKI)筑波大学大学院人間総合科学研究群教育学学位プログラム

※素材画像はパブリックドメインQ:著作権フリー画像集(https://publicdomainq.net)から利用。一部改変

いのち/INOCHI

   コロナシーズンに生きている僕たちは、今、どの目でこの世界を見ているのか。大好きな家族と毎日会って楽しい時間を過ごしているのか。人に会えなくて寂しい時間を過ごしているのか。同じ時代・環境においても、心のカタチによって世界は変わる。この作品は「いのち」という題名で、透明な板と樹木の模型から構成される。透明の部分は角錐のようで、クリスマスツリーを連想するかもしれない。この樹木は透明な世界に閉ざされていて可哀そうなのか。外部が透明だから樹木ははっきり見えてきて生命力を感じているのか。造形的な要素だけではなく、作品を見るときに自分の心のカタチ(世界を見る目)に気付くならば幸いである。

陸 依藍(LU YILAN) 筑波大学大学院人間総合科学研究群教育学学位プログラム


EVENTS

WORKSHOP 「記憶の木の破片」

11 月 2 6 日(木) 展示時間中随時・予約不要/最大同時10名

   木に触れながら、思い浮かんだ思い出やエピソードを書き出し、木に着色して表現してみよう。その記憶の破片を是非、展示の一部に加えてみませんか。(廖 曦彤)

WORKSHOP 「今、あなたの時は、どんなふうに流れているの?」

11 月 29 日(日) 13 : 00 - 14 : 30 定員10名 Peatixから事前申込/当日は先着順

   特に変化が激しかったこの半年間。いつも大切に思っていること、いつもやっていることがどう変化してきたのか。流木を使って、あなたが感じている変化と不変、これからの生活にもたらしたい変化を表現し、共有してみてはいかがでしょうか。 (廖 曦彤)

以下のQRコードからお申し込みください。


WORKSHOP 「映画の思い出やこれから見たい映画について筆を使って表現してみませんか?」

11月28日(土) 11:30-12:30 定員10名 Peatixから事前申込/当日は先着順

   コロナ禍に関わらず、あなたの思い出の映画やこれから見たい・見る映画について筆を使って存分に語って共有する時間を体験してみませんか。書いたものを展示の一部として加えて、沢山の人と共有し新しい作品を作ってみたいと思ってます。材料はこちらで準備致します。(菊地湾)

以下のQRコードからお申し込みください。


TALK 「都市の『余 / 白』に生まれる創造性」

11 月 29 日(日) 14 : 30-15 : 30  Peatixから事前申込

(現地参加:定員10名 オンライン参加:100名)

   出展者によるトークセッションを行います。それぞれのワークを通して見えてきた、アートと場、そして空間・時間の「余 / 白」が生み出す可能性について対話を試みます。

(廖 曦彤,菊地 湾,櫻井菜月,陸 依藍, 石崎和宏, 笠原広一)

主催:A/r/tography & Philosophy Project

(武蔵野大学 生井亮司研究室、東京学芸大学 笠原広一研究室)

協力:アートプロジェクト実行委員会

お問い合わせ

A/r/tography & Philosophy Project 事務局 https://artphiloproject.wixsite.com/mysite/project

artphiloproject@gmail.com

助成:科研費 (18H0101, 18H00622, 18H01007, 20KK0045), SSHRC(890-2017-0006)


ご来場される皆さまへ

新型コロナウイルス感染拡大防止対策へのご理解とご協力をお願いいたします。

● マスクの着用、手洗いや手指消毒にご協力ください。また、団体でのご来場を遠慮ください。

● ワークショップやトークイベントの参加者には検温を実施します。

● ※37.5℃以上の発熱、咳、くしゃみなどの症状がある方、過去2週間以内に感染が引き続き拡大している国、地域への訪問歴がある方は、ご来場をお断りいたします。

● ※今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況により、中止や変更になる場合がございます。

Arts-Based Research & A/r/tography, Koichi Kasahara Lab.

Arts-Based Research や A/r/tography などの アートと教育とリサーチ,笠原広一研究室での 実践や研究を紹介しています。

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